絶世の美女クレオパトラといわれる訳はセルフプロデュース力だった
- hadazen
- 2016年8月28日
- 読了時間: 4分

二人の大英雄を虜にした神秘的な魅力を持つクレオパトラ。
いったいどんな顔をしていて、衣装を纏い、どんな美容法をしていたのか?女性としてもとても気になるところです。
もっとも信憑性が高い彫刻といわれているグレコ・ローマン博物館に展示されているクレオパトラ7世だといわれているお顔彫刻があります。
この像は鼻や目が欠けていて、全体的にどんな方だったのかは推測しにくいけれど、どう見ても外見からは絶世の美女とはいえないような
感じがします。
美は相対的で「過去に遡るほど美は当時の風習を生かした人が美人とされる傾向がある」
と聞いたことがありますが、 これに該当しているのでしょうか。。。。
日本でも昔は長い黒髪が美人とされていたように、現在の女性の理想とは必ずしも一致しません。
クレオパトラに対してプルルタークが書いた歴史書『英雄伝』 には
「彼女(クレオパトラ)の美しさは並外れたものではなく、
見る人に衝撃を与えるというほどでもなかった」と書かれています。
この記述が正しければ彼女の外見は 少なからず「普通」であったといえるのではないでしょうか。
とすると、彼女の魅力は "他の何か" なのでしょう。
クレオパトラの魅力
顔以外の他の要素としてはまず性格や、声(話し方)なども考えられます。
さらに、この性格と話し方を形成するものとして環境・知識 が挙げられています。
「クレオパトラは教養があり、話し方が上手い」と残されています。
知識の都であったアレキサンドリアに生まれた彼女はそこで様々な知識を吸収し、
王女という立場から話し方・接し方などを学び、二人の英雄を虜にしたようです。
彼女が絵画などで描かれたのは18世紀頃であり、かなり先入観が入っていたと思われます。
真実は時と共に虚実に変わってしまうことがあるようですね〜
メイク法
当時のクレオパトラのアイメイクには、鉛、マカライト、ラピスラズリが含まれていたそうです。
眼病予防や魔除け虫除けの効果もあったのではないかといわれているそうですが、
なんとクレオパトラはアイシャドウを眼病予防のためだけでなく、
自分を美しく見せるためのメイクとして取り入れた初めての人物だといわれています。
塗り方にもこだわりがあり、上まぶたを青、下まぶたを緑と塗り分けるのがお気に入りだったとか。
クレオパトラの美意識は高かったことがわかります。
当時は女性のみではなく、男性もアイシャドウを使用していました。
実はエジプトの男性は、肌色を良くするために黄褐色やオレンジ色の化粧品
(今でいうファンデーションやチーク代わり)を使っていたことも知られている上、
マニキュアを施す男性もいたことがリリーフに残っています。
実は現代の男性に負けないほど美容意識が高かったようです。
クレオパトラは当時の地中海周辺国で使われていた7つの言語を自在に操り、話術にも長けて、
その美しい声で海外の英雄たちを次々と夢中にさせていった。
そして歴史や詩、演劇などにも造詣が深く、様々な書物を読んで学び、馬術を嗜み、
王女としての立ち居振る舞いの美しさを身に付けた、まさに才色兼備な女性だったようです。
クレオパトラがカエサルに初めて会ったとき、
彼女が贈り物のじゅうたんにくるまって現れたというエピソードは有名ですよね〜
待っているだけじゃ幸運は掴めないことを彼女は知っていたのですね。すごい!
彼女はその聡明さで、自分の魅力を演出し周囲にアピールしていったのでしょう。
美しさというのは、顔の造形だけにとどまらず、香りや雰囲気、しぐさ、
知性や教養などさまざまな要素が相まってつくられるものなのかもしれません。
いろいろなご意見はあるとは思いますが、
さまざまな美容法やメイクで自分を磨き、理知に富み、
自分の魅力を最大限に引き出して世の中を魅了したことは尊敬に値する。
自分の魅力をセルフプロデュースしていた彼女は、現代女性にとっても、学ぶべきことの多い、
まさに時代を超えた『美学』といえるのではないでしょうか。
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