続・医心方
- hadazen
- 2016年10月1日
- 読了時間: 3分

先日の続きで、日本古来の美の秘本「医心方」の内容をご紹介していきます。
◆皮膚の手入れ
巻4(第14-23)では毛髪、頭部、顔面の諸疾患や治療法を詳述されています。
肌のトラブルも病気と同じように風邪(ふうじゃ)によるものとしているようです。
風邪が皮膚にとどまって体液が停滞するために内臓が機能障害を起こし、その結果、肌荒れやシミやソバカスが生じるという説など、現代医学と通じる部分があります。
ソバカス、アザ、ホクロ、肌の黒ずみ、ニキビ、ナマズ肌、そして傷や皮膚病の跡を消す工夫や簡単な治療が、身近な食べ物や植物などを使って行われていました。
お肌のお手入れで代表的なものは、現代の化粧水にあたるものは、日本酒、糀エキスやへちま水、朝露、あずき水、ドクダミ茶、紫根エキスなどがあります。
また、酒粕を利用したパックなどがあるようです。
ただし、当時はお肌への反作用や注意点などのことは明記されていないので、ちょっと危険なものもあるようですので、十分に気をつけなければなりませんね☆
水銀など害のあるものを使っているレシピ(処方)もありますので。
本は古めかしい文章体で、今の解釈で材料や作り方が鮮明には分からないものもあります。
処方自体が間違っているものも、おまじないぽいものもありま〜す(笑)
千年以上前の人が一生懸命、美について改善できる処方を考えていたんだな〜っとその志が垣間見れておもしろい書物です。
ああ〜学生時代やった古典の授業もこんな内容だったら、きっと超真剣に勉強したんだろうな〜って思いました★
例えば
◆生卵を三年酢に漬けてつくる美肌パック
『医心方 巻 4 美容篇/筑摩書房』第 14 章「葛氏方」の記述内
「以三歳苦酒・・・以塗良」の一文
※ 卵や黒酢は、アミノ酸やビタミンを含むため、肌への効能があるといわれていますが、卵アレルギーのある方は、使用はやめてください。
◆塩を練り込んだ酒粕でつくる湿布
『医心方 巻 8 脚病篇/筑摩書房』第 6 章「唐方」の記述内
「以酒粕一斗・・・・以腫消為度」の一文。
※ 酒粕に含まれるアルコールによって、冷却・抗炎症・保護作用があるとされていますが、肌にあわない時は、使用しないでください。
ニキビの処方の「卵を殻ごと酢に漬けたもの」は現代でも試されていて、学生さんの間でも、かなり効果があるようです。
◆毛髪の手入れ
巻4(第1-11)では、毛髪に対する願望、長い髪、光沢のある柔らかい髪、堅い髪など、求める髪の毛は黒色で硬く長く、光沢ある髪に絞られているようです。 現代同様、白髪を黒くしたり、黄ばんだ髪や脱毛、白禿、円形脱毛症、眉の脱毛治療など平安人も悩んでいます。 髪に弾力や艶が出る方法など、現代でも通用する効果的な処方も記載されています。
医心方では、現代の医学では不可能だろうという症例にも果敢に挑戦しています★
やけどの上に髪の毛を生やす処方などなど。。
色々な美容と健康面などの処方に『はちみつ』が使われてます。
当時はちみつは医薬品の扱いだったんだなぁ〜と思いました。
薄くなった髪の毛が生える処方に、「ソウハクヒ
成分」がありました!!
「ソウハクヒ」は私の中では美白のメジャーな植物です★
最近、現代の発毛材にもソウハクヒ使われていることを知ったのですが、現代と一緒じゃないですかーー!これはすごいなぁ〜
◆体操や呼吸法
巻27では、「導引(どういん)」について述べていて、体操や散歩、マッサージなど、身体を動かしたり刺激を与えること。 体内に停滞している「気」を促して、新鮮な「気」を体内に送り込む効用などを記載しています。
◆身体に良い食べ物
巻30では、美容に役立つ食べ物、胡麻(ごま)、大豆、酢、梅、牛乳など、それぞれが持っている性質とともに体内での働きを紹介しています。
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